HERO’S
谷川、いくら何でもまずいぞ。
人気日本人選手が残ってくれないと数字が取れないと言うのはわかるし、特定選手が有利になるルール改正や判定は今に始まったことではない。
谷川がプロデュースしている時点でそれは仕方がないことなのだとあきらめる事にしている。
しかしだ、てめぇの見たいカードやひいきの選手を有利にするために、選手の命を危険にさらすというのは絶対にあってはならないことだ。己の欲望や利益のために他人の命を危険にさらすと言う事は、端的に言えば営利殺人である。
「これはもう意識が飛んでいますねー」って、桜庭の命をなんだと思っているのか。
事前にどのような指示がレフリーに出ていたのか知らないが、HERO’Sと言えば選手の危険を最優先し試合をするのが本筋ではなかったのか。
同日の秋山対金の試合では早すぎるくらいのタイミングで止めているし、ミドル級の決勝でKIDのパンチが入り一瞬意識が遠のいた須藤に対してもすぐに止めている。特に、後者のような良い打撃が入ってガクンと落ちるようなダウンに関しては攻撃を受けた側の選手が的確な防御体勢をとれない場合は即止めるべきだ。
最初の一発はしかたない、それは格闘技の目的なので当たり前だ。そして最初の一発はちゃんと意識がある中で対応している。
しかし、意識が飛んだ瞬間以降は無防備なのだ。どんな屈強な選手でも構えていなければ大きなダメージが残る。
毎日の稽古から意識が無くてもある程度身体は反応し、何となく防御したり反撃したり本能で行動はしているが傍から見れば一目瞭然、昨日の桜庭のような状態になる。気力で立ち上がっても脳と行動神経はリンクしておらず、酔ってもいないのに「酔拳」さながらの動きになってしまうのだ。
この状態でさらに頭部へ攻撃が加わると通常のダメージとは比較にならないほど大きなダメージになることが多い、また、正常に神経が機能していないため、どのくらい効いているのか本人にも良く解らないのだ。
レフリーストップがかかったあと、正気に戻りまだやれると元気に抗議していた選手が試合後の控え室で嘔吐したり、数日経ってから不調を訴えるケースも珍しくない。
この様に、「意識が飛んでいる」というのは非常に危険な状態で、殴り合い前提の格闘技では即刻試合を止めなくてはいけないのだ。
かつてボクシングは何回ダウンしても10カウント以内に立ち上がりさえすれば試合は続行であった。フラフラでサンドバック状態になっても立ってさえいればレフリーは試合を止めなかった。
結果、旧時代のボクサーはいわゆるパンチドランカーや何らかの障害を持つ人が少なくない。あまりにも危険という判断から現在では試合を速早く止めるケースが多く、1ラウンドあたりのダウンの回数も制限がある。
前田日明が桜庭の試合後、激怒していたようだが当たり前である。格闘技は殺人ショーではないのだ。
素人丸出しのプロデューサーは責任をとるべきだろう。谷川は試合は止め時が難しいなどをふざけたことを言っているようだが、桜庭が死んでしまったらどうするつもりだったのか、格闘家を自分のおもちゃのように扱う谷川を許すことはとうていできん。
テレビ局は奇しくも亀田君の試合と同じTBSなんだが連日のこの失態、格闘技及び格闘家をバカにするのもいいかげんにしてもらいたい。